2022.11.25
ネコ科の動物は鋭い爪を持っており、爪研ぎをすることでその機能が衰えないようにしています。
猫の爪とぎの目的は、大きく分けて以下の三つと考えられています。
・マーキングのため
ネコ科動物のほとんどは縄張りを持つため、自分の存在をアピールするために爪研ぎをすることがあります。
猫は汗をかきませんが、肉球の部分だけ湿っぽくなることがあります。人の汗とは少し性質が違いますが、猫の肉球にはエクリン腺という汗を出す部分があるためです。
このエクリン腺から分泌される汗の中に、さまざまなフェロモンが含まれており、爪とぎをすることで臭いをつけているのです。
これらは本能的なものであるため、壁や家具などで爪を研ぎぼろぼろにしてしまうのは、縄張りを維持するために行っている自己主張だと考えられます。
飼い猫では飼い主の背中やズボン、靴に爪研ぎをすることもあります。
・生活のため
猫の爪は人の爪と違い、爪の根元が太くなって、指の先にかぶさるようにくっつき、先端は鋭く尖っています。
猫の爪は半円状にカーブしながら伸びるだけでなく、層状に育っていきます。
そのため爪研ぎをすると爪の外側が縦に割れ、まるで脱皮のように新しい層が表に出てくるのです。
また、爪をよく見ると白い爪の中にピンク色の部分がありますが、これはQuickと呼ばれる部分で、血管と神経が集まっています。
猫の爪は猫の意志で出したり引っ込めたりができます。猫が足音を消すのが上手なのも、爪を隠して音を立てないようにしているからできることです。
獲物を捕獲する時や、木によじ登ったり、喧嘩で戦うためにも、鋭い爪は欠かせないものとなります。
野生の猫は爪研ぎをすることで常に鋭い爪をキープし、生活に困らないようにしているんですね。
・気分転換のため
猫の爪研ぎのタイミングは、寝起きや興奮した時、失敗をした時、寂しい時に見られます。
そのため家で飼われている猫は、気持ちを変えるために爪研ぎを行うと考えられます。
人で言えば寝起きの凝りをほぐす準備運動だったり、楽しさのあまり大きな声で叫んだり、失敗を誤魔化すために見栄を張ったり、構ってもらうために大袈裟なことをして注目を集めようとするような状態です。
本来は縄張りを主張するために爪研ぎをすることからも、おうちの猫が爪研ぎをしている時は自分の存在をアピールし、気持ちを切り替えるためにしていると考えられます。
野生の猫は爪切りを必要としませんが、おうちの中で暮らす猫は爪切りが必要となります。
浦安、行徳近辺で猫の爪とぎ・爪切りについて詳しくお聞きになりたい場合は、お気軽に行徳どうぶつ病院グループまでお尋ねくださいませ。
行徳どうぶつ病院
獣医師
大山 美雪