2026.01.02
目次
愛猫が顔や首を激しく掻いていたり、お腹の毛が薄くなっていたりしませんか? それは、アレルギー性皮膚炎のサインかもしれません。
猫のアレルギー性皮膚炎は、放置すると強い痒みでどうぶつが眠れなくなったり、掻き壊して細菌感染を起こしたりする病気です。
千葉県市川市の行徳どうぶつ病院では、日本獣医皮膚科学会 認定医 春日陽一郎先生の専門外来を設けており、猫のアレルギー性皮膚炎の正確な診断と効果的な治療を行っています。この記事では、猫の主なアレルギー性皮膚炎について、その特徴と診断方法をご説明します。
愛猫にこんな症状があれば、お早めにご相談ください
猫のアレルギー性皮膚炎には、原因によって異なる特徴があります。しかし、どのアレルギーでも共通して現れやすい症状があります(1)。
粟粒様皮膚炎
首や背中を触ると、粟粒のような小さなカサブタがたくさんあります。被毛に隠れて見えにくいため、ブラッシングや撫でているときに指先で気づくことが多い症状です。
自傷性脱毛
過剰な毛づくろいによって、お腹や内股、前足などの毛が薄くなります。「毛が抜けている」のではなく、痒みのために猫自身が舐めすぎて毛を切ってしまっているのです。
頭頸部掻破痕
顔や首を激しく掻くため、傷やただれができます。掻きすぎて出血したり、細菌感染を起こして化膿したりすることもあります。
好酸球性肉芽腫
唇や太もも、お腹などに赤く盛り上がった病変ができます。
症状に気づいたら、お早めにご相談ください。
猫のアレルギー性皮膚炎には、主に3つのタイプがあります(4)。それぞれ原因も進行パターンも異なるため、正確な診断が必要です。
どんな病気?
ノミの唾液に含まれる蛋白質に対して、猫の免疫系が過剰に反応するアレルギーです(2)。1~2匹のノミに刺されただけでも、激しい痒みが出ることがあります。
症状の特徴
顔、首、背中に強い痒みが出て、粟粒のようなカサブタ(丘疹性皮膚炎)ができます(2)。特徴的なのは、年を追うごとに症状が悪化していくことです。一昨年より去年、去年より今年と、どんどん痒みが強くなっていきます。
診断方法
臨床症状、ノミの存在確認、皮膚検査、他の皮膚疾患の除外によって診断します(2)。ノミの成虫が見つからなくても、症状の進行パターンや、ノミの糞(黒い粒)が見つかれば、ノミアレルギーを疑います。
治療について
治療の基本は、猫へのノミ予防薬の定期投与と、室内環境からのノミ駆除です。炎症や痒みが強い場合は、ステロイド剤や免疫抑制剤で症状をコントロールします。「ノミを見かけなくなった」だけでは不十分で、継続的な予防が必要です。
どんな病気?
フードに含まれる特定の蛋白質に対して、猫の免疫系が過剰に反応する病気です(4)。鶏肉、牛肉、魚など、どんな蛋白質でもアレルゲン(アレルギーの原因物質)になる可能性があります(5)。
症状の特徴
皮膚症状が中心ですが、嘔吐や下痢などの消化器症状を伴うこともあります。特徴的なのは、フードを変えてから数ヶ月かけて、徐々に症状が悪化していくことです。「新しいフードに変えてから、なんとなく痒がるようになった」という場合は、食物アレルギーの可能性があります。
診断方法
確定診断には、除去食試験とその後の食物負荷試験が必要です(6)(7)。
除去食試験では、これまで猫が食べたことのない食材を使った食事(新規蛋白食)、または、アレルゲンとして認識されないよう小さく分解したたんぱく質を使った食事(加水分解食)を、最低8週間与えます(7)。この期間中は、おやつや人間の食べ物を一切与えてはいけません。
症状が改善したら、次に食物負荷試験を行います(8)。これまで食べていたフードや、アレルゲンと疑われる食材を与えて、症状が再発するかを確認します。症状が再発すれば、食物アレルギーと確定診断されます(8)。
治療について
原因となる食物成分を、生涯にわたって避け続けることが基本です(5)。「たまになら大丈夫」ではありません。一口でも食べれば症状が再発するため、厳格な食事管理が必要です。
どんな病気?
花粉、ハウスダスト、カビなどの環境中のアレルゲンに対して、猫の免疫系が過剰に反応する病気です(4)(9)。人間のアトピー性皮膚炎と似た病気で、環境中のアレルゲンを完全に避けることは困難なため、長期的な管理が必要になります。
症状の特徴
同じような強さの痒みが、断続的に現れることが特徴です(9)。症状が強い時期と弱い時期はありますが、一定の波を繰り返します。季節によって症状が変動する場合は、花粉などの季節性アレルゲンが関与している可能性があります。
診断方法
アトピー性皮膚炎の診断は、他のアレルギー性皮膚炎や皮膚疾患を除外することで行います(9)。まず感染症の治療、ノミ予防、除去食試験を行い、それでも症状が改善しない場合、アトピー性皮膚炎の可能性が高まります(10)。
治療について
ステロイド剤、免疫抑制剤、抗掻痒剤の投与で症状をコントロールします(11)。また、環境中のアレルゲンをできるだけ減らす対策(こまめな掃除、空気清浄機の使用など)も重要です(10)。
行徳どうぶつ病院は、千葉県市川市の行徳駅から徒歩圏内にあり、市川市、浦安市、江戸川区など近隣エリアの飼い主様から多くのご相談をいただいています。
日本獣医皮膚科学会 認定医による専門外来では、一般的な動物病院では診断が難しいケースや、他院で治療を受けたものの改善しなかったケースにも対応しています。
「近くの病院で診てもらったけど良くならない」 「何度も再発を繰り返している」 「本当にアレルギーなのか確定診断してほしい」
このようなお悩みをお持ちの飼い主様も、ぜひ一度ご相談ください。セカンドオピニオンとしてもお気軽にご利用いただけます。
Q: 室内飼いの猫でもノミアレルギーになりますか? A: はい、なります。人間の衣服や靴にノミが付いて室内に入ることがあるため、完全室内飼いでもノミ予防は必要です。特にノミアレルギーの猫は、1~2匹のノミでも症状が出るため、定期的な予防が重要です(2)。
Q: 除去食試験は自宅でできますか?
A: 除去食試験自体は自宅で行いますが、必ず動物病院の指導のもとで実施してください。適切なフードの選択、試験期間中の注意事項、結果の判断など、専門的な知識が必要です。自己判断で行うと、正確な診断ができません(6)(7)。
Q: アレルギーは完治しますか?
A: 残念ながら、アレルギー体質自体を完治させることは困難です。しかし、適切な治療と管理によって、症状をコントロールし、快適な生活を送ることは十分可能です。重要なのは、継続的な管理と定期的な診察です(10)(11)。
Q: 薬を飲み続けなければいけませんか?
A: アレルギーのタイプや重症度によって異なります。ノミアレルギーであれば予防薬の定期投与、食物アレルギーであれば食事管理、アトピー性皮膚炎であれば症状に応じた薬物療法が必要です。詳しくは診察時にご説明いたします(2)(5)(11)。
Q: 他の病院で診てもらったけど良くならないのですが…
A: アレルギー性皮膚炎は診断が難しく、複数のアレルギーが重なっている場合もあります。行徳どうぶつ病院では日本獣医皮膚科学会 認定医 春日陽一郎先生が専門的な視点で診察いたします。セカンドオピニオンとしてもお気軽にご相談ください。
Q: 市川市以外からでも受診できますか?
A: もちろんです。浦安市、船橋市、江戸川区など、近隣エリアからも多くの飼い主様にお越しいただいています。専門的な診療を必要とされる場合、少し遠くても受診いただく価値があると自負しています。
猫の主なアレルギー性皮膚炎には、ノミアレルギー性皮膚炎、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎の3つがあります(1)(4)。
どれも症状が似ているため、専門的な診断が必要です。そして何より大切なのは、早期発見・早期治療です。
千葉県市川市の行徳どうぶつ病院では、日本獣医皮膚科学会 認定医 春日陽一郎先生の専門外来で、猫のアレルギー性皮膚炎を専門的に診断・治療しています。
愛猫の痒みを止めて、快適な毎日を取り戻してあげましょう。
行徳どうぶつ病院
院長 名古孟大
(1) Santoro D, Pucheu-Haston C, Jackson H, et al. Feline atopic syndrome — An update. Can Vet J. 2021;62(9):909-918.
(2) Merck Veterinary Manual. Flea Allergy Dermatitis in Dogs and Cats. 2024.
(3) Roosje PJ, van den Broek AH, Willemse T, et al. Induction of feline flea allergy dermatitis and the incidence and histopathological characteristics of concurrent indolent lip ulcers. Vet Immunol Immunopathol. 2001;81(3-4):301-309.
(4) Halliwell R, Pucheu-Haston CM, Olivry T, et al. Feline allergic diseases: introduction and proposed nomenclature. Vet Dermatol. 2021;32:8-e2.
(5) Mueller RS, Olivry T, Prélaud P. Critically appraised topic on adverse food reactions of companion animals (2): common food allergen sources in dogs and cats. BMC Vet Res. 2016;12:9.
(6) Mueller RS, Olivry T. Critically appraised topic on adverse food reactions of companion animals (4): can we diagnose adverse food reactions in dogs and cats with in vivo or in vitro tests? BMC Vet Res. 2017;13(1):275.
(7) Olivry T, Mueller RS, Prélaud P. Critically appraised topic on adverse food reactions of companion animals (1): duration of elimination diets. BMC Vet Res. 2015;11:225.
(8) Olivry T, Mueller RS. Critically appraised topic on adverse food reactions of companion animals (9): time to flare of cutaneous signs after a dietary challenge in dogs and cats with food allergies. BMC Vet Res. 2020;16(1):158.
(9) Santoro D, Pucheu-Haston CM, Prost C, et al. Clinical signs and diagnosis of feline atopic syndrome: detailed guidelines for a correct diagnosis. Vet Dermatol. 2021;32(1):26-e6.
(10) Mueller RS, Jensen-Jarolim E, Bannert C, et al. Atopic dermatitis in cats. Can Vet J. 2018;59(3):311-321.
(11) Noli C, Matricoti I, Schievano C. Therapy for feline allergic dermatitis. Vet Pract. 2025.