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神経科ブログ⑤ それって本当に「てんかん発作」?

2023.02.24

神経科には「てんかん発作が出たので診察をお願いします」という主訴の方が多く来院されます。
その場合、神経科では詳しく問診を取り、身体検査や神経学的検査を行いますが、それ以外にも必ず行っている検査があります。レントゲン検査と血液検査です。
「発作なのだから脳の問題じゃないの?脳ってレントゲン検査や血液検査ではなく、MRIやCT検査じゃないとわからないのでは?」と思うかも知れません。
確かに脳の病気であればMRIやCT検査が必要になることが多いです。しかし、レントゲン検査や血液検査を一緒に行うことでわかることがあります。

それは、「本当にてんかん発作かどうか?」ということです。
ちなみに、一般的なてんかんの定義とは「様々な原因により大脳神経細胞が異常に興奮することで生じるてんかん発作を反復する疾患で、様々な臨床所見を伴うもの」とされています。
つまり「てんかん発作」は脳自体の病気であるということです。

人間の場合、「発作」という言葉でよく思い浮かぶのは「心臓発作」ですが、動物にも「心臓発作」は存在し、「てんかん発作」の症状とよく似ています。
「急に倒れて手足をバタバタさせている、泡を吹いている、白目をむいている」のような症状はどちらの発作にも起こり得るものです。
その他、似たような症状を起こすものとして極度の「低血糖症」や「低カルシウム血症」という状況に陥っている場合、「門脈-体循環シャント」という病気、中毒などが挙げられます。
心臓疾患の場合は聴診やレントゲン検査をすることで異常をキャッチすることができますし、低血糖症や低カルシウム血症は血液検査、門脈-体循環シャントはレントゲン検査や血液検査でわかる場合があります。
中毒の場合は飼い主さんからのお話や血液検査の異常でわかることが多いです。

もし、心臓疾患の可能性があれば、心臓の超音波検査や心電図検査などの追加検査を行い、より詳しく調べていきます。低血糖症や低カルシウム血症がわかれば今度はその原因となっている病気を調べていくことになります。
また、門脈-体循環シャント疑いの場合は確定診断や手術適応かどうかを含め、大学病院などの二次診療施設における精密検査をお勧めすることになります。
中毒の場合は救急処置の対応になります。いずれの病気であっても「てんかん発作」ではないので、治療法は異なります。よってこれらの鑑別診断することはとても重要です。

時々、神経病以外の診察で「うちの子は時々てんかん発作を起こすのですが、4,5か月に1回あるくらいなので様子を見ています」という飼い主さんをお見かけしますが、実は重大な病気のサインかもしれません。
早期発見、早期治療はとても大切です。気になることがありましたら、是非当院にご相談ください。

行徳どうぶつ病院
神経科担当獣医師
大内 詠子