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ウサギの体表腫瘍について – 行徳どうぶつ病院

腫瘍

ウサギの体表腫瘍について

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概要

平均寿命の伸びに伴い、ウサギでも腫瘍性疾患に遭遇することが増えてきました。子宮の腫瘍以外では、体表の腫瘍に遭遇することが多いです。

体表の腫瘍には良性のものと悪性のものがあり、それぞれ性質や対処法が大きく異なります。

良性腫瘍(毛芽腫など)
転移し全身に影響を及ぼすことはない
手術をしなくても問題にならないことが多い
大きく成長すると歩行の妨げや壊死が起きる可能性が高いため手術を行う
悪性腫瘍(繊維肉腫・悪性末梢神経鞘腫など)
成長が速く、周囲の筋肉などに根を張るように入り込む
手術しても切除しきれず再発を繰り返すことがある
稀に肺・肝臓などへの遠隔転移が起きることもある
油断は禁物:伴侶動物のウサギでみられる体表の腫瘍は、多くが良性腫瘍(毛芽腫)ですが、悪性腫瘍が発生することもあります。体表にしこりを発見したら、自己判断せず早めにご相談ください。
02
症状

腫瘍そのものによる症状はほとんどありません。大きく成長し神経を巻き込んだりしなければ、痛みもないことが多いです。

腫瘍が成長すると、以下のような症状があらわれます。

・腫瘍が手足の動きを妨げて歩きにくくなる
・成長した腫瘍が床などにこすれて出血する
・血液が行き届かなくなった腫瘍が壊死・感染を起こす
03
診断

腫瘍の種類と性質を調べるため、段階的に検査を進めます。

01
まず実施 針生検 腫瘍に細い注射針を刺して成分を採取し、どんな細胞が含まれるか・細胞がどれくらい悪そうかを調べます。麻酔をかけずに実施できることが多く、ウサギへの負担が少ない検査です。ただし、腫瘍の種類を100%特定することはできません。
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針生検で診断がつかない場合 生検 腫瘍の一部を切除、または全体を摘出して組織構造を調べます。腫瘍が小さい場合や悪性が疑われ摘出を急ぐ場合は、全摘出(治療を兼ねる)を選択することが多いです。
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治療

治療の基本は摘出手術です。事前の検査で良性・悪性の判断ができなかった場合は、取り残しのないよう腫瘍周囲の組織も含めて大きく切除します。

発生した場所が悪かったり、腫瘍が育ちすぎてしまうと、筋肉や神経を巻き込む必要が生じ、切除の方針について選択を迫られることがあります。

根治優先
大きく切除する

取り残しを最小限にするため、筋肉・神経を含めて広く切除します。後遺症が残るおそれがありますが、再発リスクを下げることができます。

後遺症回避優先
切除範囲を小さくする

後遺症が残らないよう切除範囲を抑えます。取り残しが生じる可能性があるので、放射線治療や抗がん剤治療を組み合わせることがありますが、ウサギへの確立された治療法はなく、実施できる施設も大学病院などに限られます。

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予後
良性腫瘍の場合

摘出してしまえば元気に過ごすことができます。

悪性腫瘍の場合

摘出できても周辺に再発することがしばしばあります。目に見えないレベルで広がっているため、手術を繰り返しても再発するケースもあり、警戒が必要です。

できるだけ腫瘍が小さいうちに摘出することが、再発防止の鍵となります。
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予防

腫瘍性疾患は加齢に伴い一定の確率で発生するため、確実に予防できる方法はありません。腫瘍が小さいほど治療成績はよくなるため、早期発見が何より重要です。以下のように日頃からウサギさんの体調変化に気づける習慣作りを行っていきましょう。

日頃の触れ合い

スキンシップのついでに体表を確認する習慣をつけましょう。しこりや膨らみに気づいたら、早めにご相談ください。

定期的な健康診断

ご自宅での確認が難しい部位も、健診を定期的に受けることで手遅れにならず発見することができます。