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ウサギの不正咬合について – 行徳どうぶつ病院

歯の不正咬合

ウサギの不正咬合について

01
概要

ウサギは、繊維質が多く硬いイネ科植物を主食としています。硬い植物を咀嚼しても食べられなくならないよう、進化の過程で生涯伸び続ける臼歯(奥歯)を獲得しました。

生涯伸び続けるということは、硬い植物を食べることで削れていかなければ、臼歯が伸び続けてしまうということです。多くの場合、不正咬合は不適切な食事(イネ科牧草の供給不足)によって生じます。

臼歯の不正咬合が生じるとかみ合わせが悪くなるため、門歯(前歯)の不正咬合につながることもあります。門歯の不正咬合は、金属などをかじったり、頭部を強くぶつけたりして歯を傷つけることでも発生します。

ネザーランドドワーフやホーランドロップなどの短頭種のウサギは、臼歯の生えるスペースが狭くなること、受け口になりやすいことから、不正咬合になりやすいです。

02
症状

初期には、食べるスピードが遅くなる、食べにくそうにするといった症状がみられ、次第にものが食べられなくなります。食欲はあり、野菜やペレットは食べられるけれど牧草が食べられない場合、不正咬合になっている可能性があります。伸びすぎた歯が頬や舌に当たったり傷つけたりすると、痛みや不快感からよだれが増えて口の周りが汚れたり、前足の毛をむしって脱毛してしまったりします。不正咬合を起こした臼歯は歯根の方向へも伸びていくため、歯根のそばを走る鼻涙管がつぶれて目から涙があふれるようになることもあります。摂食不良や痛みから消化管の鬱滞につながることもあります。

ウサギの不正咬合:SOSサインと予防のために大切なこと
03
診断
01
口腔内検査 口の中を直接覗くことで歯の伸びすぎを見つけられることが多いです。
02
レントゲン検査 口腔内検査でわかりにくい場合や、歯根への影響を確認する場合に行います。
04
治療

伸びすぎた歯を正しい長さまで削ることで治療します。重症度とウサギの状態によって、麻酔の有無が異なります。

麻酔なし
軽度の不正咬合

門歯や臼歯の軽度な伸びすぎであれば、麻酔をかけずに処置できることが多いです。

麻酔あり
重度の不正咬合・ストレスを感じやすい子

重度の場合は麻酔下でしっかり削る必要があります。ストレスを感じやすい子やパニックになりやすい子は、怪我やショックを防ぐため、軽度であっても麻酔をかけることがあります。

05
予後
早期発見の場合

若齢・軽度の門歯の不正咬合は正常に近い形に整形することで矯正できる可能性があります。臼歯も、早期発見できれば数回の処置で治ってくることがあります。

発見が遅れた場合

歯根にまで異常が現れている場合は治癒が難しく、定期的な歯の処置が必要になることが多いです。

早期の対処が、治癒と再発防止の鍵となります。
06
予防

臼歯・門歯それぞれに適した予防と、定期的なお口のチェックが大切です。

イネ科牧草を十分に食べさせる(臼歯の予防)

臼歯は牧草を咀嚼することでしか削れていきません。繊維質・シリカの多いチモシーの一番刈りをしっかり食べさせるようにしましょう。

齧り木を設置し、不適切なものを齧らせない(門歯の予防)

齧り木などをウサギが常に齧れるように設置し、金網など不適切なものを齧らないようにしてあげることが大切です。

定期的なお口のチェック

初期のうちに発見・治療できれば再発を防ぎやすくなります。病院での定期的な口腔内チェックをおすすめします。