当院では、獣医皮膚科認定医の春日陽一郎獣医師と連携しながら皮膚科診療を行っています。春日獣医師へのコンサルテーション、皮膚科専門外来への紹介など、飼い主様・どうぶつさんの安心につながる柔軟な対応を心がけています。
体の表面に住んでいる常在菌が、なんらかの原因により皮膚に侵入してしまう病気です。皮膚に赤いぽつぽつが現れることからはじまり、次第に赤みが広がっていきます。皮膚の赤みの周辺にはフケがみられることが多いです。症状が進むと、中心部が黒くなることもあります。飼い主さんが気づいた頃には、数個に広がっていることも多いです。 膿皮症が単独で発生することはあまりなく、怪我や、アトピーなど皮膚が弱くなる別の病気に伴って発生することが多いです。 犬でよくみられる疾患で、猫ではあまりみられません。
背中、脇、股、おしり、肛門周囲、首元
主に春、夏、秋(高温多湿な時期)
皮膚にいる菌を減らすことが解決につながるため、当院では消毒薬の入ったシャンプーを用いた外用療法をおすすめしています。外用療法で治らない場合や、皮膚の深いところに細菌が入り込んでいる場合には、抗生物質を内服してもらうこともあります。ほかの病気に起因する場合は、それらの疾患の治療も行います。
健康などうぶつの毛穴にも常在しているニキビダニとよばれるダニが、なんらかの要因で増えすぎてしまうことで発症します。毛穴で炎症が起こるため、脱毛やフケ、ぽつぽつが出ます。猫では、伝染性のニキビダニの存在も知られています。
頭部、四肢端、臀部などです。
抵抗力の弱い若齢の子や老齢の子で発症しやすいです。
ダニを駆除する薬剤を投与します。ニキビダニが増えすぎてしまうなんらかの原因疾患がある場合には、その疾患の治療も行います。
皮膚のバリア機能が低下することにより、さまざまな刺激によってかゆみが出やすくなる病気です。まず体を引っ搔いたり、舐めたり、擦ったりするしぐさがみられます。体を掻く行動によって、皮膚の赤みや脱毛が見られるようになります。慢性化すると皮膚が色素沈着で黒くなったり、ごわごわと固くなってくることもあります。
目の周り、口の周り、耳、四肢、足先、お腹、脇、股など
主に春先から夏など高温多湿な時期に多いですが、慢性化すると年中症状がでます。
治療の基本はステロイドです。症状が体の一部に留まる場合は外用薬を使用しますが、全身の痒みがある場合は内服することもあります。ステロイドによって強い炎症が落ち着いたあとや、なんらかの理由でステロイドが使いにくいケースでは、免疫抑制剤や分子標的薬など、別のお薬を投薬することもあります。症状が落ち着いても休薬するとまた症状が出ることが多く、完治ではなく、かゆみでつらくならないことを目標にして治療していきます。
なんらかのアレルゲンによって皮膚に炎症を起こしたり、下痢をしてしまったりする病気です。犬や猫では、寄生虫の1種であるヒゼンダニや、食物、ノミによるアレルギーがよく見られます。症状はアトピー性皮膚炎と似ており、区別が難しいこともあります。また、食物アレルギーとアトピー性皮膚炎が併発していることも多いです。
アレルギーの種類によって様々です。ノミアレルギーの場合は主に腰や尾、食物アレルギーの場合は様々な部位に発症します。
アレルギーは、そのアレルギー物質に触れた時に発症するため、季節は関係ないことも多いです。ノミアレルギーは、ノミの活動が活発になる主に暑い時期に悪化する傾向があります。
アレルゲンを取り除くことが第一の治療となります。ヒゼンダニやノミが原因であればそれらの駆除薬、食材が原因であれば、その食材が入ってないフードに切り替えます。痒みが強い場合はかゆみ止めを併用することがあります。
皮脂の過剰によって発生する皮膚炎です。皮膚が乾燥してフケが出るタイプと、皮膚や毛がべたつき、脂っぽい臭いがするタイプがあります。皮膚のかゆみ・赤みを伴います。どうぶつの皮膚にはマラセチアという皮脂を餌にして増える酵母の仲間が常在しています。この酵母が増えると、かゆみが悪化してしまいます。背景に脂質の代謝異常やアレルギー性皮膚炎皮膚が隠れている場合があります。
皮膚が擦れる部分に多いです。首元、皮のひだ、四肢、四肢の付け根、肘や膝などの関節周囲などです。
体質的に脂が出る犬種は季節に関係なく症状が出ますが、高温多湿な夏場に悪化しやすいです。高齢になるほど症状が出やすいです。
体質によるものは完治が難しく、薬用シャンプーなどのスキンケアで皮膚コンディションを良好に保つことが治療となります。マラセチアが増えている場合は、抗真菌薬を内服したり、抗真菌薬を含むシャンプーを使ったりします。維持管理が難しい場合は背景に別の病気が隠れていないかも確認します。
アトピーやアレルギー、外部寄生虫などの原因によって耳の穴の中に炎症が起きる病気です。かゆみから耳を掻いたり、頭を振ったりするようになります。重くなると膿が出たり、皮膚が厚くなって耳の穴がふさがってしまうこともあります。炎症が鼓膜を超えて広がり、中耳炎・内耳炎を起こすこともあります。耳道が狭い、耳の穴の毛が多い、耳が垂れているなど、耳の穴の環境が悪化しやすい品種は発症しやすく、治療も長引くことが多いです。
耳の中、耳介部、あるいは耳の外側です。
高温多湿な季節に発症する場合が多いですが、冬場に出ることもあります。
軽度のものは、数日点耳薬を投与することで治療します。寄生虫が疑われる場合は駆虫薬を投与します。耳垢が多い場合は耳の中を洗浄することもあります。重度の外耳炎では耳の中が狭くなり、膿や耳垢が溜まりやすくなるため、繰り返し耳の中を洗浄したり、長期にわたり抗菌薬やステロイドを使ったりすることもあります。アトピーなどの基礎疾患によるものは再発しやすく、長い治療になります。
文責:獣医師 名古 孟大