2023.04.14
フィラリア症(犬糸状虫症)は蚊が媒介し、犬にかかるとても恐ろしい感染症です。毎月予防薬を飲ませることをで対策できると、前回の記事で解説しました。
実は、犬糸状虫は猫にも感染します。犬に比べると感染しにくいのですが、感染した場合の死亡率は犬より高いです。
今回はさらにフィラリアのことを掘り下げて、猫のフィラリア症について解説していきます。
猫のフィラリア症の症状は犬とは大きく異なります。犬の場合はフィラリアの成虫が肺動脈を詰まらせ循環不全を起こしますが、猫の場合はフィラリアに対するアレルギー反応が主となります。猫はおおまかにわけて、3段階の症状が出ます。
1段階目は感染初期のミクロフィラリア(フィラリアの仔虫)が肺の血管を刺激して、強い炎症を起こして呼吸困難を起こす状態です。
2段階目は、フィラリアの死骸が血管に詰まることによって、発熱、発咳、呼吸困難、喀血、頻呼吸、頻脈、低血圧が現れます。10〜20%の猫はこの段階で突然死します。
3段階目は2段階目を乗り越えたあとに残る後遺症で、慢性の咳です。
猫用のノミダニ予防薬の中には、犬糸状虫の感染を予防できるものがあり、月に1回使うことで感染を防ぐことができます。当院でも猫のフィラリア予防薬を取り扱っています。
犬用の予防薬は猫に使うと副作用が強く、強い神経症状が出て亡くなってしまうこともあります。犬用の薬を流用はせず、必ず、猫には猫用の予防薬を使うようにしてください。
フィラリア症は猫も他人事ではありません。完全室内飼いでも蚊に刺される可能性があるので、猫もしっかり予防することが大切です。
浦安、行徳近辺で猫のフィラリアについて詳しくお聞きになりたい場合は、お気軽に行徳どうぶつ病院グループまでお尋ねくださいませ。
行徳どうぶつ病院
獣医師
大山 美雪