2024.02.16
ペットと防災①はこちら。
自宅での避難計画が万全に整っていても、自宅の安全が確保できない場合は避難所へ避難する必要があります。
1995年の阪神淡路大震災や2011年の東日本大震災では、飼い主がペットを連れて避難所に入れなかった事例が相次ぎました。ペットとして「同伴避難」が可能なのは、通常、犬や猫、その他の家庭で飼われる動物が多いですが、自治体ごとに異なる規則があるため、地域ごとのルールを確認する必要があります。
国は2013年に「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」を制定し、ペットとの「同行避難」を奨励することで、ペットを理由に避難をためらわないようにしています。この「同行避難」は、飼い主がペットとともに安全な場所まで避難する行動を指し、「同伴避難」は避難所でペットを飼養管理する形態を指します。避難所での「同伴避難」では必ずしも飼い主とペットが同じ場所で過ごせるわけではありません。飼養環境は避難所ごとに異なります。「同伴避難」できる避難所は限られているため、事前にその場所を確認し、安全な経路を考えておくことが重要です。
熊本地震では、多くの飼い主が車中泊で避難生活を送っていました。ペットの存在を理由に避難しなかった結果、建物が崩れて亡くなった人や、ペットと一緒に避難できずに生きる気力を失った人などが報告されました。
いざという時に大事な家族を守れるよう、ペットとの避難に備えて、事前のトレーニングも行っておきましょう。日頃からキャリーケースを部屋に置いておくことで慣れさせるなど、災害時にストレスを最小限に抑えるための準備は欠かせません。また、避難所での生活に備え、ケージやキャリーバッグでの過ごし方にもあらかじめ慣れさせることが必要です。
災害時にはペットと一緒に避難所で生活することが難しくなる場合も考えられます。その際には、知人や施設に一時的に預ける必要が生じるかもしれません。予防接種も忘れずに行いましょう。
災害時は様々な状況が予測されます。準備はしすぎることはありません。ご自身の状況に合わせて、避難計画を検討し、災害に備えることが大切です。これらの対策を講じ、ペットとの安全な避難を考えることで、より安心して災害に備えることができます。
浦安、行徳近辺でペットの防災について詳しくお聞きになりたい場合は、お気軽に行徳どうぶつ病院グループまでお尋ねくださいませ。
行徳どうぶつ病院 院長
獣医師
陶山 雄一郎