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そろそろ季節です〜犬のフィラリア症について〜

2023.03.30

 わんちゃんを飼い始めると、動物病院でフィラリアの予防をするように指導されると思います。毎月予防薬を飲ませるなんて大変、本当に必要なの?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
結論から申し上げますと、フィラリアの予防は必ずしなくてはいけません。フィラリア症は命に関わることもある恐ろしい病気のひとつだからです。犬の命を守るためにも、しっかり予防することが大切です。

今回は犬のフィラリア症について解説していきます。

〈犬のフィラリア症とはなんだろう?〉
犬に寄生するフィラリアのことを正式には犬糸状虫いぬしじょうちゅうと呼びます。
犬糸状虫は、蚊に刺されることで感染します。犬の体の中に入った犬糸状虫が成虫になると、心臓から肺に向かう動脈(肺動脈といいます)に集まってきます。すると心臓から肺へ血液がうまく流れなくなり、犬の命を脅かします。

〈フィラリア症の症状は?〉
咳が出る、疲れやすくなる、腹水が溜まるなどの症状が現れます。これらの症状が重篤になると、亡くなってしまうこともあります。

〈フィラリア症にならないためには?〉
フィラリア症の予防薬は、体に入ってきたフィラリアの仔虫(ミクロフィラリア)を殺すことで、病気を予防します。成長したフィラリアには効かないので、仔虫が成長する前に、薬を飲む必要があります。仔虫が体に入ってきてから2ヶ月ほど経過してしまうと、薬が効かない段階まで成長してしまうおそれがあります。病気を防ぐためには1ヶ月毎にしっかり薬を飲ませなければいけません。

〈フィラリア症は治せるの?〉
フィラリア症は感染した成虫を取り出すことで治すことができます。しかし麻酔が必要になり、また心臓付近の手術となるため体への負担はとても大きくなります。
内科的には、治療するための薬はありません。そのため新たな感染を防ぎつつ、寄生虫がいなくなるのを待つことになります。完治までにはおおよそ2年かかりますが、治療の間に突然亡くなってしまうこともあります。
このように感染してからの治療はとても難しいため、日頃の感染予防が重要となります。

〈まとめ〉
当院では通年予防を推奨しています。毎月1開回、確実に予防薬を飲むこと、また飲む期間を空けないことが大切です。もしフィラリアの予防薬を飲ませ忘れてしまったら、慌てて飲ませることはせず、必ず獣医師に相談してください。

浦安、行徳近辺でフィラリアについて詳しくお聞きになりたい場合は、お気軽に行徳どうぶつ病院グループまでお尋ねくださいませ。

行徳どうぶつ病院
獣医師
大山 美雪