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猫の顎に黒いポツポツ発見!それって本当に汚れ?|行徳どうぶつ病院が解説

2025.11.14

「あれ?うちの子の顎、黒いポツポツがある…」 愛猫の顎を撫でていて、ザラザラした黒い粒に気づいたことはありませんか?

一見すると食べかすや汚れのように見えるこの黒いポツポツ。実は「座瘡(ざそう)」という皮膚の病気かもしれません。

「たかがニキビでしょ?」と軽く考えてしまいがちですが、放置すると細菌感染を起こし、顎全体が腫れあがったり、膿んで痛みで食事ができなくなることも。愛猫の小さな異変を見逃さないことが、大切などうぶつの健康を守る第一歩です。

本記事では、猫の座瘡について解説します。

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【結論】顎の黒いポツポツを見つけたら、すぐに動物病院へ

まず最初にお伝えしたいこと。それは「黒いポツポツを見つけたら、まずは動物病院で診てもらう」ということです。

なぜなら:

  • 見た目だけでは重症度が判断できない(表面は軽度でも、皮膚の下で炎症が進行していることも)
  • 細菌感染の有無は専門的な検査が必要
  • 他の皮膚疾患(皮膚糸状菌症、アレルギー、腫瘍など)との鑑別が必要
  • 早期治療ほど、どうぶつの負担が軽く、治療費も抑えられる

「様子を見よう」と判断してしまうと、その間に症状が進行し、結果的に愛猫がより苦しむことになりかねません。


猫の座瘡とは何か?なぜ顎にできるの?

座瘡の正体:猫のニキビ

猫の座瘡は、人間のニキビとよく似た皮膚疾患です。米国の研究によると、猫の全皮膚疾患のうち約3.9%を占める一般的な病気で、発症年齢の中央値は4歳程度とされています

主に下顎や下唇周辺の毛穴(毛包)や皮脂を出す腺(皮脂腺)に炎症が起こります。

なぜ顎なの?

実は、猫の顎にはマーキング用の皮脂腺がたくさん集中しています。猫が家具や飼い主様の足に顎をスリスリするのは、この皮脂で「自分のにおい」をつけているからなんです。

ところが、この皮脂が過剰に分泌されたり、顎は猫自身がグルーミングしづらい場所なので、皮脂や汚れ、古い角質が毛穴に詰まって黒い粒(コメド)ができてしまいます。


こんな症状が出ていませんか?段階別チェックリスト

初期段階の症状

臨床研究では、座瘡の猫の73%に黒いコメド、68%に脱毛が見られたと報告されています

  • 顎の下に黒い砂粒のようなものが付着
  • 毛に黒い粒(コメド)々が絡みついている
  • ただの汚れや食べかすのように見える

この段階でも、必ず動物病院を受診してください。見た目が軽度でも、皮膚の下では炎症が進行している可能性があります。

進行した症状(重度)

  • 顎全体が腫れている
  • 赤み、出血がある
  • 膿が出ている(膿疱や膿瘍の形成)
  • 皮膚が硬くなってきた(皮膚の硬化や結節)
  • 皮膚に穴が開いている(瘻管の形成)

猫は顎を気にする素振りを見せ、触られるのを嫌がるようになります。痒みや痛みがある場合は、食欲や元気が落ちる場合があります。

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座瘡の原因:なぜうちの子が?

猫の座瘡の原因は完全には解明されていませんが、国内外の獣医学研究では、複数の要因が関与していると考えられています。

1. 皮脂の過剰分泌

顎のマーキング用皮脂腺から皮脂が過剰に出ると、毛穴が詰まりやすくなります。

2. グルーミング不足

顎は猫自身が舐めて手入れするのが難しい場所。そのため汚れが蓄積します。

3. 食器の問題

食器についた傷に雑菌やカビが繁殖すると、顎に感染を起こします。また、食器自体にアレルギー反応を起こす場合も、炎症から猫座瘡を生じることがあります。

おすすめは陶器やガラス製の食器です。
容器は傷がつきにくく、アレルギーを起こしにくいとされる陶器やガラス製のものがおすすめです。

4. ストレス

環境の変化、引っ越し、新しいどうぶつの導入、飼い主様の生活パターンの変化など、ストレスが皮脂分泌を増加させることがあります。

5. 免疫力の低下

高齢、他の病気の治療中(ステロイド使用中など)、猫エイズウイルス(FIV)や猫白血病ウイルス(FeLV)感染などで免疫が落ちていると、皮膚のバリア機能も低下します。

どの原因が関与しているかは、獣医師の診察と検査で初めて特定できます


動物病院での診断と治療

診断方法

獣医師は以下を確認します:

  • 視診・触診:症状の程度、範囲
  • 細胞診:細菌感染の有無、炎症細胞の種類
  • 皮膚培養検査:感染している細菌の特定(必要に応じて)
  • 血液検査:FIV/FeLV検査、全身状態の確認(必要に応じて)

治療方法

臨床研究では、二次感染を伴う座瘡は抗菌薬による治療で良好に管理できることが示されています。

1. 患部の洗浄
専用の薬用シャンプーや消毒薬で患部を清潔にします。動物病院で正しい方法を教えてもらいましょう。

2. 薬物療法

  • 抗生物質:細菌感染がある場合
  • 抗炎症薬:炎症や痛みを抑える
  • 外用薬:症状に応じた軟膏など

3. 原因への対処 食器の変更、ストレス軽減、食事の見直しなど、再発予防も含めた総合的なアプローチを行います。

重要なのは、獣医師の指示通りに治療を続けること。途中でやめると再発しやすくなります。

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飼い主様ができること:日常ケアと予防

動物病院での治療と並行して、ご自宅でもできることがあります。

食器の見直し

  • プラスチック製→陶器やガラス製に変更
  • 毎日洗って清潔に保つ
  • 傷がついたら新しいものに交換

ストレス管理

  • 生活環境の急激な変化を避ける
  • 十分な遊び時間と休息スペースの確保
  • 多頭飼育の場合は、各どうぶつに十分な縄張りを

定期的な観察

愛猫とのスキンシップの際に、顎の状態を優しくチェック。異変に気づいたらすぐに動物病院へ。

ただし、自己判断でのケアは避けてください。まずは獣医師の診察を受け、適切な治療方針を決めることが最優先です。


よくある質問Q&A

Q: 黒いポツポツを取ってもいいですか?
A: 絶対に無理に取らないでください。皮膚を傷つけ、感染を悪化させる可能性があります。まずは動物病院へ。

Q: 人間用のニキビ薬を使ってもいい?
A: NG です。猫と人間では皮膚の構造や薬の代謝が異なります。どうぶつ専用の薬を獣医師に処方してもらってください。

Q: 一度治ったら、もう大丈夫?
A: 座瘡は再発しやすい疾患です。定期的な観察と予防ケアが大切です。


まとめ:愛猫の健康を守るために

猫の顎の黒いポツポツ、座瘡は:

  • 決して「たかがニキビ」ではない
  • 放置すると重症化し、痛みで食事ができなくなることも
  • 早期発見・早期治療が、どうぶつの苦痛を最小限に抑える
  • 見た目だけでは判断できないため、必ず動物病院での診察が必要

**「様子を見よう」は禁物です。**愛猫の小さなサインを見逃さず、気づいたらすぐに行動を。

私たち行徳どうぶつ病院は、どうぶつたちの幸せと飼い主様の安心のために、いつでもお力になります。

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参考文献

  1. Jazic E, Coyner KS, Loeffler DG, Lewis TP. “An evaluation of the clinical, cytological, infectious and histopathological features of feline acne.” Veterinary Dermatology. 2006;17(2):134-140.
  2. 獣医臨床皮膚科「猫のざ瘡:74例に関する後向き研究(1988–2003)」2010;16(4):203-209.

監修:行徳どうぶつ病院
院長 名古孟大