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特発性てんかんの犬と旅行に行くための注意点|旅行中にてんかん発作が起きたらどうする?

2024.05.02

「特発性てんかんの犬を飼ってるけど旅行に連れて行っていいの?」
「普段発作がなかったら何しても大丈夫なの?」
「旅行中のてんかん発作の薬の飲ませ方がわからない」
こんな悩みを抱えていないでしょうか?

今回は特発性てんかんの犬を飼われている飼い主様に

  • 旅行中の薬の飲み方
  • 行ってはいけない場所
  • 緊急時対応


について解説します。

ぜひ最後までお読みいただき、旅行での心配事を無くしていただけると幸いです。

特発性てんかんとは

特発性てんかんは脳に腫瘍、炎症、水頭症、脳血管障害などの発作の原因となる病変がないタイプのてんかんです。
発作の症状にはさまざまなタイプがありますが、意識を失い、全身のけいれんを起こすタイプが一般的です。
薬により症状を抑えることで治療でき、治療がうまくいっていると、発作の頻度が数ヶ月に1回~1年に1回に減らすことができます。
うまくいけば普通の犬とほぼ同じ生活が送れるようになるということですね。
しかし、発作を予想することは困難で、たまたま旅行先で発作が出てしまう場合もあります。

旅行中でもいつも通り薬を飲ませる 

「最近発作はないので1、2日くらい薬を飲ませなくても大丈夫」
と考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、実際はそうではありません。
特発性てんかんの薬に限らず、どんな薬にも「半減期」というものがあります。
半減期というのは、血液中に入った薬が代謝や排泄によって、半分の濃度になるまでにかかる時間のことです。
例えば、
「この薬は半減期が短いものです」
と言われたら、
「薬が体の中で早く代謝・排泄される=薬の効き目が短い」
ということを意味します。
薬にもよって、1日に投与する回数が1回~3回のものがありますが、これらは半減期のことも考慮されて決められています。
今まではきちんとお薬を飲んでいたことで、体の中の薬の濃度が常に一定量を維持され、発作をコントロールしていたのに、1日飲まなかったことでその状態が崩れ、体の中の薬の濃度が低くなり、発作を起こしてしまうことがあります。
旅行中でも時間と回数を守り、いつも通り薬を飲ませるようにしましょう。


行ってはいけない場所

特発性てんかんの犬が行ってはいけない場所は以下の通りです。

  • 海や川などの水場
  • 目の届かない場所

海や川での水遊びが大好きな犬は多いですよね。
しかし、水遊びをしている最中にてんかん発作が起きた場合は、意識を失ってしまい、溺れてしまうことがあります。
ビニールプールなどの浅いところでも鼻と口が水に浸かる量の水があった場合は溺れてしまいます。

山のキャンプ場で過ごす場合などは目の届かない場所に行かないようにしましょう。
草むらなどに入り込んでしまい、てんかん発作が起きた場合は崖から落ちてしまうこともあります。
普段なら名前を呼べば戻ってくれる犬でも、てんかん発作が起きたら話は別です。
出先では必ずリードをつけ、目の届くところで一緒に過ごしましょう。

近くの動物病院を確認しましょう 

滞在先で発作が起こった場合、すぐに治まれば良いですが、長い時間続いてしまうかもしれません。
その場合は緊急性があるため、すぐに動物病院に連れていく必要があります。
しかし、見知った土地ではないため、すぐに動物病院を見つけることは困難でしょう。
あらかじめ滞在先の近隣の動物病院をいくつかリストアップしておきましょう。

まとめ 

特発性てんかんの治療がうまくいっていると、病気を持っていない犬とほぼ同じ生活をすることができます。
しかし、環境が変われば体調も変わるものです。
愛犬を旅行に連れていけるかどうかは、発作の頻度や体調、旅行先によって変わります。
あらかじめかかりつけの動物病院の先生に相談してみると良いでしょう。
浦安、行徳近辺でてんかん発作の診断や治療について詳しくお聞きなりたい場合は、お気軽に行徳どうぶつ病院グループまでお尋ねください。

行徳どうぶつ病院
神経科担当獣医師
大内 詠子

最終更新日 2024年5月2日

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