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猫の便秘について

2024.06.28


初夏の訪れとともに、気温が上昇していますね。この暑い季節、水分摂取が少ない猫は特に注意が必要です。体内の水分が減少し、便秘のリスクが高まることもあります。そこで今回は、猫の便秘について詳しく説明します。

便秘について

猫は基本的に1日に1~2回の排便を行いますが、3日以上便が出ない場合は便秘の可能性があります。このような場合は、便秘を疑って動物病院で診察を受けることが重要です。
食事量が変わらずに便の量が少ない、または3日以上便が出ない場合は明らかですが、他にも便秘を示すサインがあります。例えば、便をした後に走り回ったり鳴いたりすることがあれば、便が硬くなっている可能性があります。トイレでの時間が長く、便が出ても細い便しか出ない場合も注意が必要です。

便秘が進行すると、便を排出しようとして腹部を強く圧迫することが多くなります。その結果、嘔吐や食欲不振などの症状が現れることもあり、重度の便秘では脱水症状が起こる可能性もあります。さらに、腹部を触ると便の塊を感じることや、口から便の臭いがすることもあります。

便秘の原因

便秘の原因はストレスや神経障害、肥満、飲み込んだ毛の影響などが挙げられます。また、肛門周囲や直腸の炎症が排便時の痛みを引き起こし、便秘を招くこともあります。物理的な影響も便秘の原因となります。この場合はたとえば、交通事故による骨盤骨折の後遺症が便秘を引き起こすなどです。

便秘の治療方法

便秘の治療は、便を柔らかくするためにマッサージを行う方法や、直腸から便を取り除く方法があります。重度の場合は手術が必要な場合もありますが、これらの処置は猫にとって負担がかかる可能性があります。そのため、便秘の予防が重要です。繊維質の多い食事や水分摂取の増加など、日常生活での配慮を心がけましょう。

高齢の猫や水分摂取量が少ない猫、ストレスを抱えている猫、抗生物質の長期投与後など、特定の状況下で便秘になるリスクが高まります。そのため、普段から注意が必要です。
猫の1日の水分摂取量は、体重に応じて60~70ml/kgとされています。平均的な猫の体重が3.6~4.5kgなので、1日に必要な水分量は216~315ml程度です。しかしながら、猫は水分をあまり摂取しない傾向があり、排便回数も1日に1~2回と少ないです。
泌尿器の病気を予防するためには、水分摂取を増やすことが重要ですが、猫は本能的に水を摂取しづらい傾向にあります。特に夏の暑い時期は、水分摂取が重要です。

水分摂取量を増やすには

水分摂取量を増やすためには、以下のような工夫ができます。
たとえばドライフードを缶詰フードに切り替えることで水分摂取量を増やすことができます。缶詰フードには70~80%の水分が含まれており、効率的な水分補給が期待できます。また、ドライフードに水を加えてふやかす方法もあります。
猫が水道水を嫌う場合は、スープを与えることで水分摂取を促すことができます。かつおぶしでダシをとり、肉や野菜を煮込んで漉すだけで、猫用のスープができます。ただし、塩分過多にならないように注意が必要です。

猫は新鮮な水を好みますので、水の容器は常に清潔に保ちましょう。おうちに複数の猫がいる場合は、飲み水を共有したがらないことがあるほか、猫によって好みの水が異なる場合もありますので、与え方を工夫してみてください。

浦安、行徳近辺で猫の便秘について詳しくお聞きになりたい場合は、お気軽に行徳どうぶつ病院グループまでお尋ねくださいませ。

行徳どうぶつ病院 院長
獣医師
陶山 雄一郎

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