2025.10.17
目次
「元気そうに見えるから、健康診断はまだいいかな」
そう思っているあなたに知ってほしい事実があります。
健康診断で病気や異常が見つかる割合は、全年齢で27%。さらに7歳以上では、犬で40%、猫で32%に異常が見つかっています。
「元気そう」に見える今だからこそ、確かめるべきことがあります。
犬と猫は言葉で「痛い」「しんどい」と伝えられません。だからこそ、飼い主様が気づく前に病気を見つけることが、長く元気に過ごすための第一歩になります。
獣医師としての経験から断言できるのは、「早期発見」が愛する家族の寿命を大きく左右するということです。
この記事では、皆さまが知っておきたい健康診断のポイントを、わかりやすくご説明します。
本記事は犬と猫に特化した内容です。 うさぎ、フェレット、鳥類などの他のエキゾチックアニマルについては、検査基準値や疾患の診断基準が十分に確立されていない場合があるため、それぞれの動物種に応じた個別のアプローチが必要となりますので、健康診断のご相談は病院へ直接お問合せください。
「うちの子、元気だから大丈夫」と思っていても、実は病気が隠れていることがあります。人間の健康診断でも、元気だった方が検査で病気が見つかるケースがありますよね。犬と猫も同じなんです。
特に猫は我慢強い性格
猫は野生の本能で、体調が悪くても弱った姿を見せないように我慢してしまいます。獣医師の経験上、飼い主様が「ちょっとおかしいな」と気づいた時には、病気がかなり進行していることが8割以上です。
腎臓病は早期発見が命を救う
腎臓病(慢性腎臓病)は、特に高齢の猫に多い病気で、7歳以上の猫の30〜40%が発症します。症状が出た頃には、腎臓の機能の75%以上が失われていることがほとんどです。
でも、定期的な血液検査や尿検査で、症状が出る前の段階(ステージ1〜2)で異常を見つけることができます。
早期発見で得られるメリット:
心臓病も早めの発見がカギ
犬の僧帽弁閉鎖不全症(心臓の弁が正しく閉じなくなる病気)は、小型犬の10歳以上で約30%が罹患という報告があります。また、猫の肥大型心筋症(心臓の筋肉が厚くなる病気)は、初期には症状がほとんどありません。
聴診で心雑音(心臓の音の異常)を見つけたり、レントゲンで心臓の大きさをチェックすることで、早期発見につながります。
症状が出る前に発見できれば:
血液検査の数値には、人間と同じように個体差があります。「健康な時の数値」を記録しておくことで、体調を崩した時に「この子にとって異常なのか、もともとの体質なのか」を正確に判断できるようになります。
「まだ若いから大丈夫」「年齢相応の変化だし…」と、つい後回しにしてしまいがちな健康診断。でも、定期的にチェックする習慣をつけることで、普段からペットの小さな変化に気づけるようになります。
異常がなければ安心、見つかれば早期対策
健康診断で異常がなければ、今の食事や生活習慣で問題ないことが確認でき、飼い主様の安心にもつながります。
もし何か見つかった場合は、食事内容の見直しや生活習慣の改善、必要に応じてサプリメントの導入など、獣医師と一緒に具体的な対策を立てることができます。
獣医師との信頼関係も深まります
定期的に通院することで、獣医師や動物看護師との信頼関係も深まります。ペットの性格や特性を理解してもらえるので、いざという時に適切で迅速な対応が可能になります。
犬と猫は、人間よりもはるかに速いスピードで年をとります。一般的に、成犬・成猫は1年で人間の約4歳分の年齢を重ねると言われています。
つまり、人間が1年に1回受ける健康診断に相当する頻度は、犬と猫では3〜4ヶ月に1回ということになります。
実際に、今定期検診を受けている飼主様の39%が年2回以上健診を受けています。
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レントゲン検査
内臓や骨の状態を画像で確認します。
心臓の大きさ(心肥大の有無)、肺の状態、腹部臓器の異常、関節の変形(関節炎)などが分かります。
超音波検査(エコー検査)
心臓や肝臓、腎臓などの臓器を詳しく観察します。
心臓の壁の厚さや動き方、腎臓の形態異常、胆嚢・肝臓の腫瘍などを発見できます。
心電図検査
心臓のリズムや不整脈の有無を調べます。
血圧測定
高血圧は腎臓病や甲状腺機能亢進症に伴うことが多いため、特にシニア期の猫では重要な検査です。
健康診断は事前予約が必要です。
LINEから簡単にご予約いただけます。
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健康診断の間隔が空いている間に病気が進行することがあります。「様子を見よう」「次の健診で聞こう」という判断が、手遅れにつながるケースは非常に多いです。
以下のような変化に気づいたら、自己判断せず必ず病院に連絡してください:
「これくらいで連絡していいのかな…」と迷ったら、それは連絡すべきサインです。
獣医師は「大したことなくて良かったですね」と言うのが仕事です。手遅れになってから「もっと早く連れてくれば…」と言うのが一番つらいのです。
Q. 何歳から健康診断を受けるべきですか?
生後1歳頃から年1回の健康診断をおすすめします。若いうちから「その子の正常値」を記録しておくことで、将来の異常を早期発見できます。
Q. どのコースを選べばいいですか?
しっかりコースを推奨させて頂いております。
初めての方や若い子(7歳未満)は「おてがるコース」から始めでいただくのもおススメですが、7歳以上のシニア期に入ったら「しっかりコース」以上をご検討ください。どのコースが一番うちの子に合っているかは、獣医師にお気軽にご相談ください。
Q. 前回の健診で異常なし。今回はスキップしてもいい?
いいえ。犬と猫は人間の4倍以上速く老化します。
1年のブランクは人間の4年分以上。人で言う所の4年に一度の健康診断と同じです。
その間に病気が進行している可能性は十分あります。
Q. 元気だから健康診断は必要ない?
「元気に見える」と「健康」は違います。7歳以上では、犬で40%、猫で32%に異常が見つかっています。元気なうちに見つけることが、長生きの秘訣です。
Q. ペット保険は使えますか?
健康診断は予防目的のため、通常のペット保険では補償対象外です。ただし、一部の保険会社では予防プランで補助が出る場合があります。ご加入の保険会社にご確認ください。
Q. 複数頭飼いの場合、一緒に受けられますか?
はい、可能です。ご予約時に複数頭であることをお伝えください。同時に検査を行うことで、スムーズにご案内できます。
Q. 猫が病院を嫌がります
キャリーに慣れさせる、フェロモンスプレーを使うなど、方法はあります。まずはご相談ください。病院嫌いを理由に健診を諦めないでください。
「最後の健診はいつだったか」を確認し、年齢に応じた頻度で予約を入れましょう。
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家にある健康診断の結果を日付順に整理してください。スマホで写真を撮っておくと、いざという時に役立ちます。
日常の中で「あれ?」と思ったことがあれば、すぐに病院に連絡してください。「様子を見よう」が命取りになることがあります。
健康診断を定期的に受けることで、早期発見・早期治療をすることができ、生涯医療費の削減や健康寿命の長寿化が期待できます。
健診は、「何もなかった」と安心するための一歩。小さな不安を取り除き、大切な家族の未来を守るために、今できることから始めてみませんか?
「まだ元気だから」ではなく、「元気なうちに」。
この記事を読んだ今日が、あなたの愛犬・愛猫の命を守る第一歩になることを願っています。
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監修:行徳どうぶつ病院院長 名古孟大