2021.03.03
スタッフブログ
猫ちゃんに何となく最近元気がなかったり、一緒に遊んでてもすぐに休んでしまう……という症状がある場合、心臓病を疑うことがあります。
猫ちゃんの心臓病はいくつかありますが、最も多いのが『肥大型心筋症』です。
『肥大型心筋症』は、心臓を内張りしている心筋が分厚くなる病気です。
心臓は全身に血液を送り出す働きをしていますが、心筋が分厚くなり心臓の内側が狭くなると、全身に送り出すことができる血液量が減ってしまいます。その結果血液が足りなくなって、疲れやすくなったり、あまり動かなくなったりと、動きに制限が出ます。
これらは純血の猫ちゃん(アメリカンショートヘアー、メインクーン、ペルシャ猫など)に多く見られ、若齢から高齢まで幅広い年齢で起こります。
初期は以下のような症状がみられます。
・元気がない
・食欲が落ちた
・疲れやすくて、すぐ遊びをやめてしまう
進行すると以下のような症状がみられます。
・口を開けて呼吸をしている
・呼吸が速い
・失神する
・後ろ足が突然動かなくなる
わんちゃんと同様に聴診やレントゲンも必要ですが、初期では分かりにくいことがあります。
そのため、超音波検査を用いて心臓の内側の筋肉の厚さや血液の流れを確認することが大切です。
(写真は超音波検査中の猫ちゃんです)
また、血液検査による心臓の負荷を評価する心臓病のマーカーも有用です。
内科療法が主体になり、心臓の働きを助けたり、血圧を下げたり、血栓を出来にくくするお薬を投薬します。
心配な点などございましたら、お気軽に当院獣医師、看護師にお声かけください。