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猫の尿道閉塞にご注意!

2021.11.15

スタッフブログ

cat

寒くなってきて、猫の尿道閉塞が増えています。
尿道閉塞とは、何らかの原因で尿道が塞がり、おしっこが出にくくなったり、全くでなくなる状態です。
多くは結石などが尿道に詰まったり、腫瘍が尿道を圧迫することによって起こります。
結石とは結晶という小さな顕微鏡でしか見られない粒状のものが集まり石になってしまったもののことを言います。
食事が偏ったり、水分不足、ストレスや尿の濃度上昇の条件が重なり結晶化が起こります。
オスは尿道の一部が細長くカーブしているため、メスよりも詰まりやすい構造をしています。

・トイレに行く回数が増える
・頻繁にトイレに行くのにオシッコが少ししか出ない
・血尿が出る
・トイレ以外の場所で粗相をする

もしこれらの症状が出ている場合は気を付けてみてあげてください。

まったく尿が出なくなると、急性腎不全や尿毒症となり、治療しなければ1日~2日で死に至ります。

尿道閉塞は尿石症が原因で起こることが多いので、予防法としては、食事に気を配ることと水を飲む環境を作ることが第一にあげられます。
市販フードでも尿石症予防を謳っているものは多数ありますが、結石の種類や治療の経過を踏まえたうえで正しい選択が必要です。
また、猫ちゃんがたくさんの水分を取れるように工夫も必要となります。お水をこまめに変えたり、複数個所に水場を設置するなどが必要です。
特にドライフードを食べている場合は食事に水分が含まれていないことを意識し、積極的に水分摂取できる環境を作りましょう。
猫は腎臓病のリスクも高いですが、水分摂取量を増やすことでこれらのリスクも低くなります。

フィラリア予防は冬までしっかり!

2021.11.01

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dog
フィラリアの予防は4、5月頃から蚊がいなくなるまでと思われていますが、実は12月まで注射や飲み薬等の予防が必要です。
今時期、少し寒くなって蚊の姿が見えなくなってきたため、予防を終えてしまう飼い主さんがいらっしゃいますが、フィラリア予防薬は「蚊が見られて1カ月後から蚊がいなくなって1カ月後まで毎月1回投与する」必要があります。
11月まで予防していても、12月の予防をしなかったことで、30センチほどの大きさになったフィラリアが犬の心臓に寄生した例もあります。
予防薬は子虫を駆除する薬ですが、駆除後に体内に入ったり、体内で生き残ったりしている場合、いつの間にか冬の間に親虫となるためです。
愛犬、愛猫のため、フィラリア予防はしっかり行いましょう。

犬と猫の汗をかくところは〇〇だけ?

2021.09.27

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人は身体が熱くなると汗をかき体温を調整しますが、これは汗腺といわれる汗を分泌する腺があって出来ることです。

ワンちゃんとネコちゃんにはこの汗腺といわれる汗を分泌する腺は少なく、唯一汗がでるのは足の裏のみです。
(診察中に緊張して汗をかき足の裏がびしょびしょの子もいます)

汗をかかないなら、どうやって体温を調整しているのでしょうか?

 

ワンちゃんが興奮したときに「ハァ ハァ」と口を開けて呼吸をしているのを見たことはありませんか?この行動は「パンティング」といって体内の熱を外に逃がして体温を下げる行為で、体温が下がれば自然と収まることが多いです。
もしパンティングをしていて、かつ体が熱っぽいなと感じる場合には、アイシングをしてあげると落ち着くことがあります。この場合は、脇や内股もしくは首を冷やしてあげましょう。

もし、このパンティングがいつもより長く続いていたり、興奮してないのにハァハァしていることがあれば、一度病院に相談してみてください。

 

一方、ネコちゃんはワンちゃんと同様のパンティングを基本的には行いません。
ネコちゃんの場合は体中を舐めて、水分が蒸発する時に起こる「気化熱」を利用して体温を調節することがあります。もしネコちゃんでパンティングをしている場合はかなり体温が高い、もしくは体調が悪い可能性がありますので、一度病院に相談をしてみてください。

自宅での服薬について

2021.03.26

スタッフブログ

暖かな日が続きますが、まだ夜は冷え込みますね。

季節の変わり目には体調を崩しやすく、薬を飲むことも多いと思います。

今日はワンちゃん、ネコちゃんの服薬についてお話します。

 

薬を口元に持っていくと自分で食べてくれる子や、

好きなお菓子と一緒にあげると食べてくれる子もいます。

どうしても薬が飲めない子にはどうやって飲ませてあげるのかというと、

 

1.上顎の赤い印の箇所を両側から片手の親指と人差し指で持ちます。

 

2.上顎を持っていない方の手の親指と人差し指で薬を持ち、下顎を下げて口を開けます。

 

3.開けたらすぐに口の奥に薬を置いてあげてください。

【注意】
この時薬が手前側に置いてしまうと薬を口から出してしまう事があるので、できるだけ奥においてあげましょう。
上手く置くことができたら次は口を閉じてあげて、喉を擦って嚥下を促すか、鼻にフッと息を吹きかけてください。

 

 

4.舌をペロッと出したら薬を飲めています。

 

お薬を飲めた後には、できればお水を飲ませてあげてください。

 

・喉の奥で薬が張り付いて薬が胃まで到達するのに時間がかかる

・薬の味が口に残っていることがあり気持ちが悪い

 

お水を飲むことで、これらの点を解消することが出来ます。

 

自宅でお薬を飲めなくて困っている方は、お気軽に当院獣医師、看護師にお声かけください。

フィラリア予防について

2021.03.20

スタッフブログ

4月に入って温かくなり、ノミ・ダニ対策にも気をつけたい季節がやってきました。

気温があがると蚊を見かけることも増えると思いますが、この蚊が媒介する有名なものに「フィラリア」があります。

フィラリアは素麺に似た寄生虫で、成虫になると体長15センチから30センチほどとなります。

フィラリアに感染した動物に蚊が吸血すると、蚊の体内にフィラリアの幼虫が入ります。

この蚊がほかの動物に吸血することで、フィラリアの幼虫が体内に入り感染します。

幼虫が成虫になるのは約1年から2年で、心臓に寄生し、肝臓や腎臓などの臓器を壊していきます。

成虫を駆虫するのはとても困難ですので、普段から感染しないための予防が大切です。

 

月に一度使用するだけで予防ができ、基本的には年中予防を推奨としています。

(寒い季節だと蚊がいないので予防薬を使用しない場合もあります)

 

予防薬を使用しない期間が長かった場合(三ヶ月程度~)は、再使用する前に血液検査をし、フィラリアに寄生されていないかのチェックが必要です。

 

予防薬の種類は多岐にわたり、

当院では

・錠剤タイプ

・背中に垂らして使うタイプ

・ブロック状の牛肉風味のおやつタイプ

を用意しています。

 

 

 

どのタイプの予防薬を使えばよいかのご相談も、お気軽にスタッフにお声掛けください。

わんちゃんやねこちゃんの誤飲について

2021.03.05

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今日はわんちゃんやねこちゃんの誤飲についてお話します。

 

・紐状のおもちゃ

・マスクの紐

・ウェットティッシュ

 

こういったものは特に注意が必要です!

 

そのうち出てくるだろうといった油断は禁物です。

誤飲の場合すぐに症状が出ることは少ないのですが、

食べたものがうまく排出されなかった場合、腸閉そくを引き起こす可能性があります。

この場合はおなかを開けて取り出す手術が必要になる場合もあります。

 

実際に腸に詰まってしまったケースを紹介します。おなかから出てきたねずみのおもちゃです。
※少量ですが血の付いた写真ですので苦手な方はお気をつけください

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらが腸に詰まったことで胃腸の働きが衰え、嘔吐や食欲不振の症状がありました。

 

コロナ禍で思う存分お散歩に行けなかったり、家族がおうちにいる時間が増えた事でストレスを感じてしまい、誤飲してしまうわんちゃんやねこちゃんが増えています。

 

みなさまに気を付けていただきたいのは以下の三点です。

 

・わんちゃんやねこちゃんが口に入れそうなものを手の届くところに置かない

 

・定期的におもちゃが破損していないかチェックする

 

・もし食べてしまったかもしれない場合はすぐに病院に連絡

 

この三点を意識するだけで誤飲のリスクは格段に下がります!

大切な家族を守る為にも、誤飲しない環境作りを心がけましょう。

猫ちゃんがあまり遊ばなくなったら……肥大型心筋症かも?

2021.03.03

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猫ちゃんに何となく最近元気がなかったり、一緒に遊んでてもすぐに休んでしまう……という症状がある場合、心臓病を疑うことがあります。

猫ちゃんの心臓病はいくつかありますが、最も多いのが『肥大型心筋症』です。

 

『肥大型心筋症』は、心臓を内張りしている心筋が分厚くなる病気です。

心臓は全身に血液を送り出す働きをしていますが、心筋が分厚くなり心臓の内側が狭くなると、全身に送り出すことができる血液量が減ってしまいます。その結果血液が足りなくなって、疲れやすくなったり、あまり動かなくなったりと、動きに制限が出ます。

 

 

これらは純血の猫ちゃん(アメリカンショートヘアー、メインクーン、ペルシャ猫など)に多く見られ、若齢から高齢まで幅広い年齢で起こります。

 

初期は以下のような症状がみられます。
・元気がない
・食欲が落ちた
・疲れやすくて、すぐ遊びをやめてしまう

 

進行すると以下のような症状がみられます。
・口を開けて呼吸をしている
・呼吸が速い
・失神する
・後ろ足が突然動かなくなる

 

予防について

わんちゃんと同様に聴診やレントゲンも必要ですが、初期では分かりにくいことがあります。
そのため、超音波検査を用いて心臓の内側の筋肉の厚さや血液の流れを確認することが大切です。

(写真は超音波検査中の猫ちゃんです)

 

 

 

 

 

また、血液検査による心臓の負荷を評価する心臓病のマーカーも有用です。

 

治療について

内科療法が主体になり、心臓の働きを助けたり、血圧を下げたり、血栓を出来にくくするお薬を投薬します。

 

心配な点などございましたら、お気軽に当院獣医師、看護師にお声かけください。